ラ・ロシュフコー

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フランソワ・ド・ラ・ロシュフコー(1613-1680)は、17世紀フランスのモラリスト(人間性探求家)、貴族、そして作家です。パリの旧家である名門貴族の家に生まれ、フロンドの乱などの政治闘争に深く関わりましたが、やがて政界から引退し、文筆活動に専念しました。
彼の唯一の著作『箴言集』(Maximes)は、彼の名を不朽のものとしました。この短い警句集は、人間の行動の動機を鋭く洞察し、自己愛(アムール・プロープル)こそが人間のすべての行動の根源であると喝破しています。ラ・ロシュフコーは、徳や美徳とされる行為も、結局は隠された自己愛や虚栄心に動機づけられているという、しばしばシニカルで悲観的な人間観を示しました。
例えば、「我々の美徳は、ほとんどが偽装された悪徳にすぎない」といった箴言は、彼の思想をよく表しています。彼の箴言は、簡潔かつ洗練された文体で書かれており、当時の宮廷社会における人間の本質を冷徹かつ普遍的な視点から描き出しました。パスカルやラ・ブリュイエールといった同時代のモラリストたちにも影響を与え、今日でも人間の心理を理解するための古典として読み継がれています。

True courage consists in doing alone what one could do in the presence of others.

真の勇気とは、人々の前でできたことを
一人のときでも実行できることを言うのだ。