オリバー・ウェンデル・ホームズ

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オリバー・ウェンデル・ホームズ・ジュニア(1841-1935)は、アメリカ合衆国の法学者であり、最高裁判所陪席判事を務めました。アメリカ法思想において最も影響力のある人物の一人であり、「偉大な異議を唱える者」(Great Dissenter)として知られています。

南北戦争に従軍し負傷した経験が、彼の人生観と法思想に深く影響を与えました。彼は、法を抽象的な論理の体系としてではなく、社会の現実と歴史的経験から生まれるものとして捉える、プラグマティズム的なアプローチを提唱しました。主著『コモン・ロー』(The Common Law)では、法は論理ではなく「経験」に基づくと述べ、判例法の進化における社会的要因の重要性を強調しました。

最高裁判事としては、少数意見(異議)を通じて、表現の自由の擁護や経済的規制の合憲性を認めるなど、革新的な見解を示しました。特に、表現の自由に関する「明白かつ現在の危険」(clear and present danger)の基準は、アメリカ憲法修正第1条解釈において画期的なものでした。ホームズの思想は、法実証主義や法リアリズムの発展に大きく貢献し、その後のアメリカ法学に多大な影響を与えました。

It is the province of knowledge to speak, and it is the privilege of wisdom to listen.

語るは知識の領域。聞くは英知の特権。