ナサニエル・ホーソーン(1804-1864)は、19世紀アメリカを代表する小説家です。マサチューセッツ州セイラムの由緒あるピューリタンの家系に生まれました。彼の祖先にはセイラム魔女裁判の裁判官がおり、この過去は彼の作品に繰り返し現れる罪悪感やピューリタンの倫理観といったテーマに深く影響を与えています。
ボウディン大学を卒業後、ほとんどを自宅で過ごし、創作活動に専念しました。初期の作品集『ツワイス・トールド・テールズ(二度語られた話)』で注目され、その後、『緋文字』で世界的名声を得ました。この作品は、17世紀のニューイングランドを舞台に、不倫の罪を背負う女性ヘスター・プリンの苦悩を描き、人間の罪と贖罪、偽善といったテーマを深く探求しています。
他にも、『七破風の屋敷』や『ブライアデイル・ロマンス』など、アメリカ植民地時代の歴史やピューリタンの道徳観を背景に、人間の心理の奥深さを描いた作品を多く残しました。彼の作品は象徴主義的要素が強く、今日でもアメリカ文学の古典として読み継がれています。エマーソンやメルヴィルといった同時代の作家とも交流がありました。
| Every individual has a place to fill in the world and is important in some respect whether he chooses to be so or not.それぞれの個人には、この世でやるべき仕事がある。 その仕事を見つけられるどうかが、生涯において最も重要なことだ。 |
| Happiness is a butterfly, which when pursued, is always just beyond your grasp, but which, if you will sit down quietly, may alight upon you.幸福とは蝶のようなものだ。 追い求めている時には、掴もうとしても逃してしまう。 しかし静かに座っている時には、自ずから近寄ってくる。 |
| Trusting no man as his friend, he could not recognize his enemy when the latter actually appeared.誰をも友として信頼しないなら、 敵が実際に現れたときにそれと見分けることは出来ないだろう。 |
| We sometimes congratulate ourselves at the moment of waking from a troubled dream; it may be so the moment after death.我々は時々、夢にうなされて目覚めたときに、ほっとすることがある。 死んだ後の瞬間もまた、そのようなものなのかもしれない。 |


